【はじめに】
このシナリオは探索者1~4人向けにつくられている。
オリジナル要素を含んでいる。
戦闘はなし。
推定プレイ時間(ボイセ):2~3時間

またこのシナリオを作った動画も作っていただきました
絵もかわいくてテンポもよく3話で終わります!


【シナリオの概略】
友人のカポー2人組みを探し出そう!
「首だけになってもラブです!」by外科医

【登場人物】
◆佐藤 紗代(26)
背が低くて可愛らしい感じ。小さな会社で事務員として働いている。
大塚と付き合っている。実家暮らし。

◆大塚 省吾(29)
少し地味めの真面目な青年。外科医。
付き合って3年目になる。
両親は他界していて、遺産がありなかなかのお金持ち。

【導入】
舞台は、ぼちぼちの都会十二死町という町。
探索者たちは、友人の佐藤紗代と大塚省吾が行方不明になったので捜索することにする。
友人2人は探索者たちの住む街の隣りの街に住んでいる。
行方不明になったのは1週間前。警察も探しているが一向に見つかる気配がない。
2人は付き合っていて、デートで出かけた日から急に帰らなくなった。

【行方不明になった日】
詳しいことを知りたければ紗代の家に行って聞き込み。
紗代の家に行くとかなり心労でやつれた紗代のお母さんがでてくる。

下記分かること

Q.その日はどんな感じだったか?
A.その日紗代は省吾さんとデートと言ってでかけた。
その日は省吾さんの家に泊まるといって出掛けた。
実はもう2人は結婚する予定だった。

Q.いなくなる前おかしな様子は?
A.いなくなる数日前から少し様子がおかしかった。
怯えているような感じだった。問い詰めても何も言わない。
ちゃんと眠れてもいないようだった。
おかしくなったのは、数日前に省吾さんとのデートで夜景を見に行くといった日から。

Q.どこの夜景?
A.慶野山。この街にある山できれいな夜景が見渡せると有名。
(探索者はそれを知っていてもよい)

【紗代の部屋】
女の子らしい部屋。
机の引き出しの中から日記が見つかる。

【紗代の日記】
色々書かれてるが慶野山に行った日からの分だけ重要なのでそこだけ抽出します。
震えた字でかかれている。

5月12日
今日、省吾さんと慶野山に行った。
近場に夜景スポットがあるから、何度も行ってて私たちの定番デートコース。
でも、今日は違った。
いつも通り夜景をみて、いつも通り山を下っていた。
私は、窓から外の景色を眺めていた。
すると、車は走っていたはずなのに急に周りの景色がゆっくりになったような感じがして
いきなり、窓の外、目の前に赤いコートを着た女性が立っていた。
その女性は頭を左右にブンブン振り回していて、それでいてニヤニヤとした顔でこちらを見つめていた。
車の中にいる私をはっきりと見つめていて、目が合った。
私が驚いて声をあげたときには、車は普通のスピードで走っていて
省吾さんは私の声に驚いていた。
省吾さんに車を止めてもらって、後ろの方を見てももういなかった。
省吾さんに説明しても「見ていない」「勘違いだろう」と言ってとりあってくれなかった。
確かにいたのに。
あれはもしかしたら…。

5月13日
やっぱり、あれは”くびきりさま”だった。
あんなの小さいころ流行った都市伝説だと思っていた。
でも、昨日の夜"くびきりさま"がうちに来た。
夜中、聞いたことのない女性の声で目をさました。
コツコツと窓が叩かれている。「あけて、あけて」という声と共に。
しばらくすると声と音はやんだけど、ここは2階だ。
普通の人間なら届くはずがない。
それともわたしが寝ぼけていただけだろうか?

5月14日
昨日の夜も"くびきりさま"はきた。
やっぱりわたしが寝ぼけていたわけじゃなかった。
今日は、昨日よりもしつこく窓が叩かれていた。
カーテンを開けようかどうか、一瞬悩んだけれど怖くてあけられない。
明日も来たらどうしよう。

5月15日
やっぱり、昨日も"くびきりさま"はきた。
窓を叩く音はもうコツコツという音ではなく、割れてしまうんじゃないかと思うほど強くたたかれていた。
声も女性の声ではなく、人の声じゃないようなおぞましい声だった。
今日両親に、私の部屋で何か音がしなかったか聞いてみた。
何も聞こえない、と答えた。
両親に相談すべきか…。頭がおかしくなったと思われないだろうか。
もうすぐ省吾さんとの結婚がひかえているのに。
新しく2人で暮らす家だってこの間決めたばかりなのに。
明日省吾さんに相談してみよう。

5月16日
昨日も"くびきりさま"はきた。
昨日は窓だけじゃなく、部屋の扉もドンドンと叩かれていた。
おかげでほとんど眠れていない。
省吾さんにも相談してみたけれど、

「そんなもの都市伝説に決まっているだろう。
そんなに怖いんだったら明日は家に泊まりにおいで。」

と言われた。省吾さんはこの街出身じゃない。
多分この都市伝説も知らないのだと思う。
今日の夜省吾さんが迎えにきてくれる。

-ここで日記がとぎれている-

【くびきりさまについて】
【図書館】もしくはその街の【神社】にて分かる。

【図書館】
図書館だと3時間程かかる。
「ザ・十二死」という街のフリーペーパーの中に
「十二死町の怖い話・都市伝説」というコーナーがあった。
その中に"くびきりさま"について書かれていた。

「十二死町には、50年ほど前から定期的に起こる殺人事件がある。
首だけを残し、体はなくなっているという殺人事件である。
犯人はまだ見つかっていないことと、全く手がかりがないことから
昔から"くびきりさま"という者の仕業だと恐れられている。
くびきりさまは、この街のどこかに急に現れる。
赤い服を着て、ニヤニヤと笑っている女性だという。
その女性を見たものは、首を切られるといわれている。」

以上のことが分かる。

さらに、殺人事件について調べる
これは30分くらいの時間経過で調べられる。

「首切り殺人事件。
ここ50年の間に13回ほど起こっている。
被害者は、首だけを残し体はどこからも見つからない。
また、被害者全員の死亡時刻が夜中ということ、
死ぬ数日前に『赤い服を着た不気味な女性をみた』と証言していること、
ほとんどが部屋の中で死亡していること、
しかし、被害者の家族は全く不審人物は見ていないことなどが共通している。
犯人のめどはたっていない。
ただし、なぜかここ10年はその事件は起こっていない。」

以上のことが分かる。

【神社】
神社に行った場合も同じことを教えてもらえる。
神社には、神主さんがいる。
ひげを生やした背の高い渋い感じのイケメン中年男性。
「あれは、昔この街で生まれたとされている。
この世におってはならん存在だった。
祓おうにも情けない話だが、私の手にはおえんかった。
しかし10年ほど前、私の娘が慶野山にて封印したんだ。」

Q.娘さんは?
A.・・・(悲しそうに)今は行方不明だ。
違う街のお祓いに行ってから戻ってこん。探してもみつからん。

Q.封印方法は分かるか?
A.娘の部屋に本があったんだが・・・。
1週間程前か、青年が来てな。その本は貸してしまった。
娘が言うには、その本は色々なことが書かれてたみたいだ。
ただし、日本語ではなくて私には読めんくてな。
娘がもしものときに、と日本語で書かれた封印方法をメモで
残してその本の間に挟んでくれていたんだがな。
そのメモを読みながらなら、私でも封印できるだろう。

Q.青年の特徴は?
A.省吾にそっくり。

Q.いつ来た?
A.一週間ほど前

Q.封印場所は?
A.慶野山の展望台からけもの道を歩いていくとある、と言われる。
地図、もしくは案内してくれる。
案内する場合はもう夜も遅いし明日と言われる。

くびきりさまを見たあとそれを伝えるとお札がもらえる。
そのお札は一度だけくびきりさまを追い払う効果がある。

【一日目の夜】
一日目の夜全員に<幸運>を振ってもらう。
一番出目が悪かった人が、くびきりさまを見てしまう。
描写『一瞬周りの空気がゆっくりになったかと思うと赤い服を着た女性がたっていた。
その女性は頭をブンブンと左右に振りながら、探索者の方を見ている。
その顔はニヤニヤと笑っていた。探索者が驚きの声をあげようとした瞬間、もうその女性は消えていた。』
SANチェック
0/1D3

その日、その探索者の部屋にくびきりさまがくる。
もちろん、とびらを開けると死ぬよ!
POW10との対抗ロールをして、負けると恐怖であまり眠れなったことにする。
次の日すべての技能-10%
また、少し窓を開けたいという気持ちにかられる。
(日を追うごとにその気持ちは強くなる。)


【慶野山】
山は、展望台のようになっており、その展望台までの道はキレイに舗装されている。
公園のようになっていて、ベンチやゴミ箱、自動販売機のようになっている。

管理人(清掃員)のおじいさんを発見する。
おじいさんはうなだれている様子。
声をかけて事情を説明すると、おじいさんはうろたえる。
ここで<言いくるめ>か<説得>に成功するとおじいさんは話してくれる。
この山の持ち主(雇い主)に厳しく「あの場所には人をいれるな。特に札や紐を切ってはならない」
と言われていたのに、10日ほど前に掃除をしていたらお札を切ってしまった。やばい。

封印場所まで案内してもらうと、実際、札や紐は切れている。
この山の持ち主は、神主の娘の事を気に入っており
「50年前に"くびきりさま"はこの山で呼び出された。なので封印もここじゃないとできない。」
と頼まれて引き受けた。

【省吾の家】
省吾の家は大家さんに言って鍵をあけてもらわないといけない。
ただし、一日目の探索で省吾の家を訪れると隣人に大家さんは
旅行に行っていていない、明日帰ってくると近所の人に教えてもらえる。
(先に首切り様について調べてもらうため&首切り様に会ってもらうため)
ちなみに、省吾には捜索願などはだされていない。

二日目、大家に交渉すれば鍵をあけてもらえる。
省吾の家は1DKの普通の家。

机の引き出しからは、とあるマンションの賃貸契約書が見つかる。
これは、2人が結婚した際暮らす予定だったマンションの契約書である。

ここで<目星>に成功すると、床に血をふいたような跡があることが分かる。
またゴミ箱に血のついたタオルが捨てられている。

【新住居マンション】
新しいマンションには、鍵がかかっている。
チャイムを鳴らしてもでてこないが、夜になれば明かりがつく。

夜になると、省吾がでてきます。

省吾は探索者たちを見ると、かなり驚きます。
そして、家に探索者をいれるのを嫌がります。
外のカフェかどこかで話そうといわれます。

「紗代は、あの日俺が寝ている間にどこかに行ってしまったんだよ。
それを、俺はご両親に伝える勇気がなくて、逃げたんだ。
もちろん、紗代のことは俺も探してる。
まったく手がかりはないけどな。」
「紗代はいなくなる前様子がおかしかった。」
「本?あぁ、あるよ。あれがほしいのか?持ってくるよ。」

などと言ってきます。
ちなみに、本はすんなり渡してくれます。

このタイミングで無理にでも、家に入らないと省吾は逃げてしまいます。

省吾は、この住居で紗代と逃げるための準備をしています。

もし、探索者が接触したあと何もせずに帰るようならば、
そのあと省吾は紗代と連れて逃げてしまいます。
<エンディングA:謎を残したまま>へ

【省吾の家】
省吾の家へ無理やり入る。
それなりに家具や家電がそろっている。
机の上には、本と色々な薬品がある。
<薬学>ロール成功で防腐剤だということがわかる。

部屋を探索するときに、<聞き耳>ロール成功で冷蔵庫の中から
かすかに音が聞こえる。その声は人の声に聞こえる。
冷蔵庫をあけようとすると省吾は暴れる。

冷蔵庫をあけると描写。

描写『探索者が冷蔵庫をあけると、そこには見知った顔の女性の生首があった。
その生首は、間違いなく紗代だった。そして、その異常な光景はさらに異常なものになる。
紗代には意識があった。ずっと「殺して殺して殺して」という言葉を繰り返し発し、泣いていた。
そして、探索者のこと認識すると驚き探索者の名前を発した。』

SANチェック
1/1D6

これを見て省吾は開き直ります。
省吾を問い詰めると答えること。

「ハハハハ、この世に非科学的なものなんてないと思ってたけど、あるもなんだな。」
「目の前で、紗代が首だけになったとき、あの本の内容を思い出したんだ。
首だけでも、命をとどめておける方法を。すぐに試したよ。
まさか本当に首だけで生きていけるなんてな。」
「俺は、首だけの紗代でも愛し続ける自信がある。
紗代がいなくなる方が俺には耐えられない。」

Q.紗代は死にたがってる
A.今だけさ。手や足を失った人間はその絶望に耐えられず
自殺を考えてしまうんだ。
俺が担当した患者でもそういう人は何人もみたよ。
実際そのまま自殺する患者も少なからずいた。
でも、生きている患者は必ず絶望から立ちなおって
新しい人生を歩んでいた。
紗代だってそうさ。

隣で紗代が
「お願い、殺して。
こんな姿で生きてけない。
殺して殺して殺して殺して。」とずっと言っています。

殺すか否か?
それは探索者たちに任せます。

殺さない場合は<エンディングB:省吾と紗代>へ
殺す場合は<エンディングC:探索者の手で>へ

【エンディング】
エンディングA:謎を残したまま
探索者たちが神主に頼み、封印の作業が終わります。
首切り様はその日から家にはこなくなり、平穏を手に入れるでしょう。
省吾と紗代の行方は分からないが、
警察から省吾に似た人物が大きな鞄を持って駅で見かけたという情報が入った。
ただ、そのあとの行方はわからないそうです。

エンディングB:省吾と紗代
探索者たちが神主に頼み、封印の作業が終わります。
 首切り様はその日から家にはこなくなり、平穏を手に入れるでしょう。
後日、あの家は引き払われ紗代と省吾の行方はわからなくなりました。
2人が今どのように暮らしているかは、探索者にはわかりません。
もしかしたら、省吾の言うとおり紗代は希望を取り戻し、
2人は幸せに暮らしているかもしれません。
もちろん、一生絶望の底にいるままかもしれませんが、それは誰にもわかりません。

エンディングC:探索者の手で
紗代の脳を破壊すると紗代の意識はなくなります。
紗代の死に顔は、少しだけ笑っているように見えました。
省吾はそのあと、警察に殺人容疑と死体遺棄の容疑で捕まります。
探索者たちが神主に頼み、封印の作業が終わります。
女性はその日から家にはこなくなり、平穏を手に入れるでしょう。

【赤い服を着た女性について】
ティンダロスの混血種です。(マレウスp78参照)
オリジナル要素たっぷりですが。
元々は、50年前に、ティンダロスの猟犬の青い膿汁を摂取した感染した人間です。
窓をあけた場合は、部屋に入ってきて即死となります。

【クリアご褒美】
SAN値1d6の回復
ただし、<エンディングA>の場合はSAN回復はありません。

【読まなくてもいい感想】
和風ホラーっぽいシナリオをつくりたいなあと思って作りました。
最後の選択部分ではPLの意見が割れて、面白いです。価値観いろいろだなあ。