【はじめに】
このシナリオは探索者1~4人向けにつくられている。
オリジナル要素を含んでいる。
推定プレイ時間(ボイセ):1時間
リアルタイムで1時間の時間制限があります。
タイムオーバーでのバッドエンド時は、探索者が嫌いな害虫や害獣になってしまうので先に聞いておきましょう。
推奨技能:コンピュータ、跳躍
戦闘なし

【シナリオの概略】
探索者たちが目をさますと、なぞの空間だった!
出口を探して、1時間以内に脱出しよう!

【登場人物】
◆家元 陸哉
優等生タイプの男子高校生

【導入】
探索者たちが目を覚ますと見知らぬ正方形の部屋にいた。
自分たちが今なぜここにいるのか分からない。
それどころか、ここにいる前の記憶がうまく思い出せない。
思い出せるのは、探索者たちはとある電気・オタク街(秋葉原的な)に遊びにきていたということだけ。
持ち物は何ももっていない。
服装も全員、ねずみ色の上下に分かれた囚人服のような服で靴もねずみ色の紐靴。

探索者たちのほかに、学生らしい男の子が倒れている(NPC:家元 陸哉)。
声をかけて起こすと彼も探索者と同じように、なぜ自分がここにいるかわからず戸惑う。

部屋には一枚の紙が置かれており、地図のようなものだった。
ただし、その地図の裏には血文字で
「罠には法則がある
脱出には何かがいる」
と書かれている。
また脱ぎ散らかされたように囚人服が1枚置かれている。
地図は各PCの服のポケットに1枚ずつ入っていることに気付く。

そして、部屋にはねずみが一匹走っている。
誰かが着ていた囚人服があるが人はいない。

探索者が一通り1の部屋を調べたあと
<聞き耳>成功で9の方向から男の断末魔が聞こえる。

1の部屋がスタートってのは、何となくわかったってことで!

<map>
保存して使ってください。

---ポイント--------
難易度を上げたい場合はマップを渡さなくてもいいと思います。
口頭での説明はめんどうですが、その方がより探索者は混乱するでしょう。
その場合は、一枚の紙は地図ではなくメッセージだけにしましょう。
また、無意味にナイフなどを置いておくと、いろいろ楽しいかもしれません。

【各部屋についている扉】
扉は全て同じで、のぞき穴がついているスライドであけるタイプの扉でのぞき穴がついている。
扉にはプレートがついていて数字とアルファベットで組み合わせた文字列が書かれている。
この文字列は<コンピュータ>に成功すれば、16進数ということが分かる。
さらに<コンピュータ>に成功すれば、16進数がどのような意味のコードが書かれているかも分かる。

【罠について】
罠は全て一度作動すると二度と作動しません。

基本的に罠は探索者が入って発動すれば即キャラロストです。
各部屋の罠の回避方法ですが、
・虫やマウスを実験台にして部屋に先に入れる。
(ただし、これは元々が人間だと気付いた場合は0/1D3のSANチェックが入ります)
・紐靴や服などを放り投げる。
などです。

【時間制限】
リアル時間で1時間以内にクリアできなければ、害虫や害獣になってしまいドアノブをまわせなくなり脱出できません。
また1時間の間で身体が徐々に嫌いな害虫や害獣に変化していきます。

【1の部屋(目覚めの部屋)】
この部屋に入る時の扉には「306A3057」と書かれている。意味は「なし」。
探索者たちが目覚めた部屋。
導入のとこと同じ。

【2の部屋】
この部屋に入る時の扉には「306A3057」と書かれている。意味は「なし」。
この部屋にはぎりぎり扉を通れるサイズの大きな蜘蛛がいる。
ただし、この蜘蛛の顔は醜い(APP4ぐらい)人間の男の顔だった。

SANチェック
1/1D3

この蜘蛛男は
「俺も気づけば、この変な部屋にいた。
4の部屋で目覚めた。3と4には罠はなかった。
8の部屋で一緒に目覚めたやつが死んだ。
怖くてなかなか進めなかった。」

「目覚めたときは、普通の人間だった。
どんどん蜘蛛に近づいていく。
俺は蜘蛛が大っ嫌いなんだ。」

「この姿だと、扉をひらけない。俺もつれていってくれ。」
などという。

ちなみに、蜘蛛男はこの部屋に入って30~40分ほどだという。
なので、蜘蛛男の方が探索者たちより先に蜘蛛そのものになってしまうが、その辺は適当に調整してもらえれば。
(たとえば、蜘蛛男が儀式を行った張本人なので探索者たちよりゆっくり変化しているという設定にしたり
蜘蛛になってしまっても意識はあるということにして意思疎通などは行えるような設定にしたり。)

蜘蛛男に<心理学>を使おうとしてもふつうの人間ではないせいか
うまくできずマイナス50%で値でダイスを振ることになる。

一応保険として探索者がコンピュータの技能をもってなかった場合は
蜘蛛男は<コンピュータ>の技能が50%あることにしときましょう。

【3の部屋】
この部屋に入る時の扉には「306A3057」と書かれている。意味は「なし」。
罠なし。

【4の部屋】
この部屋に入る時の扉には「306A3057」と書かれている。意味は「なし」。
罠なし。

【5の部屋】
この部屋に入る時の扉には「306D3064」と書かれている。意味は「ねつ」。
熱に反応して(人の温度も)、円錐状に張り巡らされたワイヤーナイフが壁から出てきて身体を切り刻む。
1の部屋から5の部屋で行こうとした探索者は、家元 陸哉が「俺が行く!」と行ってNPCに行かせて 探索者の速攻キャラロストを回避させるようにしてください。
ていうかそれだけの存在です、このNPCは。
もちろんNPCが切り刻まれた時は、SANチェックです!
0/1d3くらいでいいんじゃないでしょうか!

【6の部屋】
この部屋に入る時の扉には「306A3057」と書かれている。意味は「なし」。
のぞき穴からこの部屋をのぞくと真っ暗で何も見えません。
部屋に入ると描写
描写『探索者が部屋に入ると、部屋は真っ暗だった。しかしすぐに部屋が暗い理由に気付く。
部屋中に響くカサカサと大量に蠢く音。ひとつひとつは小さいが、部屋を埋め尽くすほどいる。
それはまさしくゴキブリだった。』

SANチェック
0/1

ゴキブリは攻撃してはきませんので、踏み潰しながら通ることが可能です。
大量にいるので、探索者の身体にも這いずってくる可能性はあります。

この部屋の壁には脱出のためのメッセージが書かれている。
<目星>成功、もしくはゴキブリを別の部屋で逃がすなどで下記のメッセージが分かる。
「4つの角部屋に血を付着させれば、最後の扉は開く」

【7の部屋】
この部屋に入る時の扉には「30533048」と書かれている。意味は「こえ」。
人の声に反応して、壁から塩酸が噴射される。

【8の部屋】
この部屋に入る時の扉には「3075308C308B」と書かれている。意味は「ふれる」。
大量の大きな針のようなものにさされた男が死んでいる。

SANチェック
0/1D3

【9の部屋】
この部屋に入る時の扉には「3075308C308B」と書かれている。意味は「ふれる」。
罠はすでに作動していたようで、男性がワイヤーナイフに切り刻まれ死んでいる。
遺体は探索者たちと同じ格好をしており、手には地図を持っている。
この男の下半身は、蛇のようになっている。
罠はもう作動しないので、通れる。

SANチェック
0/1D3

【10の部屋】
この部屋に入る時の扉には「306A3057」と書かれている。意味は「なし」。
罠なし。

【11の部屋】
この部屋に入る時の扉には「3075308C308B」と書かれている。意味は「ふれる」。
この部屋には1番目に蜘蛛男が入らないようにしてください。出れなくなります。
部屋に1人入ると、上から天井が落ちてくる。
DEX5との対抗で成功すれば、元の部屋に戻ることができる。
もちろん別の部屋にも移動できるが、リスクが高いのでほとんどの探索者は元の部屋に戻ることになると思います。
天井が下がると蜘蛛男がサイズ的に扉から入れなくなるので蜘蛛男を連れて行くなら別の道の模索が必要。

【12の部屋】
この部屋に入る時の扉には「30533048」と書かれている。意味は「こえ」。
罠なし。

【13の部屋】
この部屋に入る時の扉には「30723068」と書かれている。意味は「ひと」。
人間のみに反応して、壁からガスバーナーが出てきて部屋中に炎が広がる。
人間のみなので、マウスやゴキが入っても何も起こらない。
ただし、蜘蛛男が入ると中途半端に作動し蜘蛛男は火傷のみで死ぬ。

【14の部屋】
この部屋に入る時の扉には「30533048」と書かれている。意味は「こえ」。
この部屋で声を出すと、壁からガスバーナーが出てきて部屋中に炎が広がる。
>
【15の部屋】
この部屋に入る時の扉には「306D3064」と書かれている。意味は「ねつ」。
壁や床、天井に何かが接触すると無数の針が飛んでくる。

【16の部屋】
この部屋に入る時の扉には「306A3057」と書かれている。意味は「なし」。
罠なし。

地図にかかれていない出口につながる扉がある。
ただし、その扉は1と4と13と16の部屋に血液を付着させなければならない。
付着させる場所は床でも壁でもどこでもおk!
13だけ、仕掛けが発動するので鼠や蜘蛛男やゴキを使って付着させる。
血液は自分のものでも構わないが、その場合耐久を1減らす。

【出口の先】
16の扉を開けるとすぐに、足元が崖のようになっています。
崖を見下ろすと、底が見えないほど深いことが分かります。
しかし、3m先の対岸にまた扉があります。
その扉は光っています。PCたちは、それがこの空間から脱出できる扉だとなんとなくわかります。
<イメージ図>
保存して使ってください。


<跳躍>に成功すれば、無事に飛べたということでよいでしょう。失敗すると落ちて死にます。

<跳躍>を持っていない探索者は、蜘蛛男が<跳躍>99%の技能を持っているので
糸を出しながら対岸に飛んでもらい糸をつたって対岸に渡ることができます。

ただし、蜘蛛男を連れてきていなかった場合は2の部屋に戻っても、もうすでに蜘蛛男はただの蜘蛛になっており協力してくれません。
また、蜘蛛男の好感度が低い場合も協力を渋るかもしれません。

扉の光に触れると、みんな元の姿にもどる。

【エンディング】
無事に対岸に渡り切り、光に触れると探索者や蜘蛛男、ねずみなどを連れてきていればそのねずみも元の人間の姿に戻ります。
光っている扉を開けて探索者たちはこの空間から脱出しようとします。
しかし、蜘蛛男は「俺は行かない」と言います。

「この対岸にたどり着いて、その扉の光を浴びて思い出した。
俺は、お前たちを殺したんだ。
この空間でなく現実でな。
この不細工な見た目のせいで、俺はずっといじめられてたんだ。
学校にも行かずずっと家に引きこもっていた。
ずっと現実から逃げたいと思っていた。

そんなある日インターネットで見つけたんだ。
自分の好きな世界にいける方法っていうのを。
パソコンの中にも入れる。二次元の世界へいける。
馬鹿らしいと思いながらも俺は試してしまった。

あの日…包丁を持ってあの街に出かけて
儀式に必要な人数の…人間を刺したんだ。
そのあとは…自分の腹も刺したところまでは覚えている。
いや思い出したんだ。」

「こんな見た目でもお前たちは、俺を助けてくれたんだ。
俺は自分の醜い見た目のせいや周りの人間のせいにしていた。
きっと、この崖の下は地獄とつながってるんだろう。
俺は自分の罪を償うよ。」

と言って崖の下へ飛び降りようとします。
<説得><言いくるめ>とかなんかかっこいいRPで助けるなり、助けないなりお任せします。

探索者たちが、光る扉の先に出ると意識が戻ります。
白い天井、周りを見渡すとそこは病院のベッドの上でした。
探索者の家族や友人は、探索者が目覚めたことに大喜びしています。
そして、ある電気・オタク街に遊びに行った日に通り魔にさされずっと意識不明だったことを聞かされます。

蜘蛛男と一緒に光る扉から出ていれば数日後、犯人も助かったことが分かります。
犯人は刑務所に入ったと聞きます。
もし、面会に行くなら犯人は探索者たちを見るなり泣いて謝り再会を喜び感謝するでしょう。

【真相】
いじめられっ子の男がインターネットで見つけた魔術的なものに挑戦し儀式のためたくさんの人を殺した後、自分も自殺。
魔術は正しいものではなく失敗しており自分の好きな世界=PCの中のような場所にはいけたものの1時間で自分の嫌いな存在に変わってしまう。
それに巻き込まれた探索者たち。無事脱出できれば、生死の境から目を覚ます。
また壁に書かれたヒントは蜘蛛男の無意識の罪悪感から作られたもの。
ゴキブリが大量にいた理由は、蜘蛛男以外にもこの儀式に挑戦した人がいたため以前の犠牲者。

【クリアご褒美】
帰ってきた→1D3のSAN回復
蜘蛛男も帰ってきた→1D6のSAN回復

【読まなくてもいい感想】
映画のcubeもろパク…インスパイアされました!
蜘蛛の糸もちょとイメージしましたが、誰にもわかってもらえなかったです!